渡邊太「共に考えることについて―再編/増殖する大学の可能性―」
冨山一郎・田沼幸子編『叢書コンフリクトの人文学1 コンフリクトから問う―その方法論的検討―』
大阪大学出版会、2012年3月、171〜193頁。

愛とユーモアの社会運動論―末期資本主義を生きるために

愛とユーモアの社会運動論―末期資本主義を生きるために

紹介
圧倒的な資本主義体制下で、私たちはどう生き延びていけるのか? 不安定化する現代の労働環境を概観し,資本の運動と労働の変容について考察したうえで,世界各地の抵抗運動の諸相からその戦略としてのユーモアに注目。筆者自らの社会的実践も挙げつつ,誰もがただ生きていることを肯定できる新たな公共空間の創造を探る。

目次
プロローグ

第1部 資本主義
第1章 疲弊する労働環境
  難民化する若者たち
  不安定労働の実態
  非正規労働化の趨勢
  グローバル資本主義
第2章 資本主義のしくみ
  資本主義の精神
  資本の自己増殖
  生産・消費・廃棄
  スピリチュアル資本主義
第3章 後期資本主義
  資本主義の高度化
  クリエイティヴ労働
  主観性の生産

第2部 対抗
第4章 フリーター闘争
  ひとを傷つける職場
  希望は戦争か?
  戦後社会への不信
  フリーター世代が生きていくために
第5章 抵抗の空間
  反システム運動
  居場所の思想
  イデオロギーからスペースへ
  研究空間〈スユ+ノモ〉
  コミュネットへ
第6章 社会運動のユーモア
  笑いの機能
  ユーモアの戦術
  主観性の組み替え
  企業と社会
  日和見主義の戦術

第3部 実験
第7章 カフェと文化の実践
  カフェ太陽
  カフェコモンズ
  ニートピア
  労働の再考
第8章 社会のオルタナティヴ
  第三の場所
  複数の力学
  未知なるものへの愛

エピローグ
あとがき

http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-7628-2772-3.html

コモンズ大学公開講座「震災後の社会を考える」
第三回「原発問題とフリーター」


日時:7月10日(日)午後2時〜5時
場所:カフェコモンズ
ゲスト:平井玄さん「群衆科学―潜在的被曝フリーターとして―」

司会:渡邊太(コモンズ大学)

【プロフィール】
平井玄 (ひらい・げん):1952年東京生まれ。自営業の後、出版業界でのフリーター歴20年。 音楽アクティヴィスト集団 [ demusik
inter.] のメンバー。 2007年より立教大学現代心理学部兼任講師。著書に、『路上のマテリアリズム』(社会評論社)、『破壊的音楽』(インパクト出版会)、『暴力と音』(人文書院)、『引き裂かれた声』(毎日新聞社)、『ミッキーマウスのプロレタリア宣言』(太田出版)、『愛と憎しみの新宿』がある。

共催:大阪大学GCOEプログラム「コンフリクトの人文学」&コモンズ大学

コモンズ大学特別講座
「空間×運動のスタイル」

ゲスト:ナリタケイスケさん(Irregular Rhythm Asylum)

司会:渡邊太(コモンズ大学)

日時:2011年7月9日(土)午後4時半〜6時半
場所:カフェコモンズ(高槻市富田町1-13-1 WESTビル5F)
http://cafe-commons.com/

路上、公園、大学等、公共空間の管理が強化される一方で、社会運動は自律的な空間を回復する試みをつづけてきた。1970年代イタリアのアウトノミア運動において出現した社会センターは、社会運動の拠点であるとともに運動を日常生活に接続する場でもあった。またそれは、運動によろこびを充溢させた。
 このセミナーでは、運動と空間の関係について、現代的な諸事例にふれつつ考察することを目的とする。ゲストとしてお迎えするナリタケイスケ氏は、2004年から東京・新宿一丁目でインフォショップIRREGULAR RHYTHM ASYLUM(IRA)を運営している。インフォショップとは、様々な社会運動に関する情報が集まる情報センターであるとともに、自主制作の音源、ZINE(同人誌、ミニコミ)、Tシャツをはじめとして、様々なラディカルグッズがそろうオルタナ文化の拠点でもある。また、多様な運動、文化に関わる人たちが出会う交流の場としても機能する。インフォショップの運営をめぐる話を聞きつつ、これからの社会運動の可能性について共に考えたい。

共催:大阪大学GCOEプログラム「コンフリクトの人文学」&コモンズ大学